マイクロウエーブがん治療

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副作用や痛みのない、からだに優しいがん療法をめざして開発された先端医療です。

手術後の再発防止やがんの予防を目的としています。がん病巣にマイクロ波を照射させる療法で、副作用がほとんどなく治療効果が認められています。

肝臓がんについては、現在は、経皮的ラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation ; RFA)が主流となってきています。肝臓の病気の場所や、ガンの個数にもよりますが、このRFAが肝臓がんの第一選択の治療法と考えます。他に治療法がないときに、ご相談ください。

マイクロウェーブがん治療とは?

正常細胞に比べがん細胞が熱に弱い性質があることは以前から知られています。より高温での治療がごく短時間で、安全に出来れば、更なる効果が期待できます。

これを解決したのがマイクロ波であり、最先端医療として開発されたマイクロ波がん療法です。

開腹することなく、体から30cm離れた2台の治療機器から放出されるマイクロ波が体内の腫瘍部分で交差し効率よく加熱するというものです。

放射線にも劣らない威力がありながら、正常組織は温度上昇が少ないために副作用はほぼゼロという理想的な治療機と言えます。

がん細胞だけを破壊する仕組み

マイクロ波によって、細胞の電子が強烈に振動し、分子の摩擦熱で温度が上がり、正常細胞もがん細胞も同時に発熱します。しかしがん細胞は水分が多く、周りの血管が脆弱であるため、高温になりやすく冷めづらい性質です。

これに対して正常細胞はがん組織と同じように温められても、血管が拡張して血液がいっぱい流れることによって、血液が車のラジエーターのように熱を運び去ってくれるのです。

“がん”組織の中にある血管は温められても拡張することができないので、ラジエーターの壊れた車のようにオーバーヒートしてしまい、がん細胞だけが破壊され、正常細胞には損傷が発生しません。

この性質の差異によりがん細胞のみが熱による障害を受けることになります。

その他にも、正常細胞が温められることで免疫力が高まり、血流が良くなるので体内臓器の機能が活発になるといったことも治療効果を増強しています。

がん細胞は39度からダメージを受け、43度以上で多数のがん細胞が死滅するといわれています。一方正常細胞は、47度から傷害を受けるとされています。したがって、39度から46度の範囲で温度設定すれば安全に、副作用なくがん治療が出来るというものです。

 

 

マイクロ波がん治療機器(LAN-01)の特徴

・がん細胞の殺傷効果が高い

・短時間の治療なので患者様の負担が小さい

・非侵襲的(体を傷つけない)治療で患者様の負担が少ない

・副作用がほとんど無く、頻回の治療が可能

・再発予防にも効果を発揮する

・低コストで治療が受けられる

本治療機器はがんに対する温熱療法の一種として開発されたものです。温熱療法とは、がん細胞が熱に弱いことを利用して、がんを治療しようというコンセプトのことです。

温熱療法の歴史

温熱療法の歴史は古く、熱によって“がん”が消滅したと、医学の父であるヒポクラテス(古代ギリシア、紀元前460-370年)は報告しています。

近代になって1868年には、Allbutt TC により医療用の体温計が開発され、正確な体温を比較的短時間に知ることができるようになりました。

1866年には、ドイツの Busch W. が、溶連菌感染症の丹毒に伴う発熱によって肉腫が消失したことを報告しています。抗がん剤はおろか抗生物質もない時代のことで、溶連菌感染に伴う発熱が、結果的に肉腫の消失をもたらしたと考えられているようです。

その後1893年には、アメリカの Coly WB. が、コーリー液と呼ばれる病原微生物の混合物を腹部の腫瘍に注入し、感染症を起こして熱を発生させることで腫瘍の消失を確認しています。

1960年代になって科学技術が進歩すると、有効な加温方法が開発されるとともに、温熱療法(ハイパーサーミア)の医療的な効果や作用機序が基礎研究によって明らかにされ始めました。

治療上の主なリスク・副作用について

当院の治療例で、副作用が発現したことはありません。
一般的に考えられることとして、温熱なので当然、温度があがります。
皮膚に近い部位ですと、皮膚温が上昇し、皮膚の発赤、ひりひり感がでることがあります。
仮に出現したとしても数日で自然治癒するレベルであると想定します。
お困りの際は当院までご相談ください。