血液バイオフォトセラピー
紫外線を血液に照射し、活性酸素を発生させてその血液を体内に戻す医療です。
日本ではほとんど知られていませんが、歴史は意外に古く、米国では80~100年前から行われています。日本でも注目されつつあるオゾン療法の歴史とさほど変わらないくらい、欧米では良く知られた医療です。むしろオゾン療法より古くから研究が行われているので、日本で行われていないのが不思議なくらいのポピュラーな統合医療の一つです。
血液バイオフォトセラピーは、世界各国や学会、場面で様々な呼び方をされています。当院では、254nmの紫外線C波を用いるこの治療法について、血液バイオフォトセラピーという名称を使用しています。
こんな症状でお悩みの方にご提案しています
片頭痛
線維筋痛症、アルツハイマー
B型肝炎、C型肝炎、HIV、帯状疱疹
気管支喘息、気管支炎、肺炎、肺気腫
各種がん、悪性リンパ腫、白血病
糖尿病、糖尿病性網膜症
上気道炎、感染症、敗血症
下肢静脈瘤、血栓性静脈炎
心筋梗塞、脳梗塞
歯周病、歯槽膿漏
慢性的な疲労を感じる方、疲れが取れない方
貧血
片頭痛には特におすすめしています。
痛みについては、酸化された血液を注入している間に効果が体感できます。報告では赤血球の酸素との結合能があがることによって、静脈血の酸素濃度が30~40%上がり、末梢の酸素濃度が上昇します。そして、その状態が1週間程度続くといわれています。
また、ある施設の報告では、進行性の肺がん250症例に対して血液フォトセラピーが行われ、そのうちの150症例が完全治癒したという話もあります。
米国ではオゾン療法があまり用いられていないので、血液フォトセラピーとH2O2の組み合わせが、がん治療として多くの代替医療の専門家に用いられています。また、免疫系の賦活作用があるのでB型肝炎、C型肝炎、アフリカではHIVの治療に用いられています。
気管支喘息などにも有効で、月に30~40回の発作があった患者が、週1回の血液フォトセラピーで、週に1回程度の発作におさまったという症例もあります。
当然のことながら、感染症や敗血症、バクテリアやウイルスに対してももちろん効果的で、抗生物質で3~4日経っても熱が下がらない化膿性の扁桃腺炎の患者では、血液フォトセラピーで1日半で熱が下がった例もあります。こうした症例では、抗生物質を投与しなくても体が楽になるという体感が認められます。
血栓性の静脈炎も、静脈血が酸素化することで、炎症が治まると思われ効果的です。
また、昔からよく使われていたのは、蛇毒など生物学的中毒の解毒です。
慢性疲労や貧血に対しても、酸素飽和度が上がるので軽減が期待できます。
血液バイオフォトセラピーの作用
紫外線を照射することによって、様々な種類の毒素を分解します。各種の細菌、ウイルス、真菌を直接的、間接的に不活性化する、抗感染作用があります。また、免疫機能を活性化します。これには少量発生する、オゾンの効果もあると思われています。
よく言われていることに、赤血球の酸素結合能や運搬能、変形能を改善するので、末梢循環が改善し、いわゆる血液がサラサラになるということが挙げられます。また、一酸化窒素能を産生させるため、血管拡張作用があることも末梢循環の改善に貢献しています。
その他、副腎皮質ホルモンの働きを活性化するので、抗炎症作用が強いことや、がん治療での放射線や化学療法への耐性を強化し、副作用を軽減することも報告されています。
全てはわかっていませんが、今現在は紫外線C波を照射することで、血中の酸素分子が励起状態、つまり通常の三重項酸素からSingret Oxygen=一重項酸素になることで、血液中の消去系を刺激し免疫系を賦活化するのではと考えられます。一重項酸素は皮膚にとっては、非常に大きなストレスになるが、血液中で発生することで、様々な消去系を動かすのだと思われています。
さらにH2O2を発生させ、細菌、ウイルス、がん細胞を破壊する効果が期待できます。また、紫外線の直接的作用によって、殺菌、生物学的毒素を分解します。
100年の歴史がある割には、作用機序の主なるものが活性酸素によるものだ、ということがわかったのは最近です。
血液バイオフォトセラピーの副作用
当院では血液バイオフォトセラピーによる重篤な副作用は見受けられません。
血液バイオフォトセラピーの効果
日本で血液フォトセラピーを行っているクリニックでの聞き取り調査によると、最も多い体感は、施術を受けている最中に体が軽くなるということでした。背中がつって痛いという患者や腰が痛いという患者など、痛みを訴えている患者は体が軽くなるということを感じるようです。
特に偏頭痛や頭が痛い方には即効性があります。こうした患者は頭がクリアになるという感じを抱くそうです。また、温かくなるという体感も多くある感想です。
血液フォトセラピーの体感は、総じて痛みに対して即効性がありキレがあることが挙げられます。一方で効果の持続力についてはオゾン療法に軍配が上がりますが、オゾンで体感しないような症例に併用すると効果があるといえます。
血液フォトセラピー治療の流れ
上気道炎や肺炎など急性症状には、1日1回症状が改善するまで1週間くらい毎日施行します。
慢性疾患では週に1、2回で3週くらい続け、次に週1回の施術を4週、その後1~2ヶ月に1回というのが、アメリカでのベーシックな治療法です。
がん治療では8-MOPによって、光の感受性を増しておいて血液フォトセラピーを行うこともあります。この方法では、皮膚のT-cell Lymphomaの治療が行われ、5年生存率を2倍以上に改善していることが報告されています。
血液フォトセラピーのメリット
血液フォトセラピーの最も特徴的な利点は、手技が簡単ということです。血液を吸って戻すだけ、5~10分がトータルの治療時間です。また、副作用が少なく、即効性があって患者の体感も早いので、リピーターになりやすい治療と言えます。
オゾンや酸素を使わないので管理が容易であり、機械が小さく場所を取らないので往診ですら使用可能です。 クリニックで他の酸化療法を行っているなら、それと組み合わせることで、バリエーションが豊富になります。
がんを治療するにしても感染症を治療するにしても手詰まりになることが少なくなります。 導入費用が少ないことも、メリットの一つです。
デメリット
欠点としては、日本での認知度が低いことです。他の治療と同様ですが、体感、効果に個人差があります。しかし、これは治療を組み合わせることで調整が可能といえます。
文献にはありませんが、同じ酸化療法の中では、オゾン療法と比較して、体感の持続時間が短い感じがします。