街中にニットの帽子を被った人も増え、冬の深まりを感じるこの頃です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。看護師Sでございます。
前回のブログでは、身体に悪い重金属を取り払う方法についてお伝えしてまいりました。
今回は、一歩 初心に返り、身体全体の健康状態を把握すること の大切さについて、血液検査を通してお伝えできたらと思います。
よろしくお願いいたします。
〜一般的な健診における血液検査の目的〜
日本では、企業において労働者に年1回の健診を受けてもらう義務が定められていることもあり、多くの方が毎年健診を受けられていると思います。
健診の目的は、全身の健康状態を網羅的に把握することで、健診を受ける本人が疾患の予防に努めるため、というところにあります。
特に、血液検査の内容をピックアップしてみると、
- 血中の脂質検査(HDL、LDL)
- 肝機能検査(AST、ALT、γ-GT)
- 血糖検査(HbA1c)
- 痛風検査(UA)
- 腎機能検査(Cre)
といったように、食生活などから来る生活習慣病の程度を把握する項目が多いことがわかります。
これらの検査は、食生活や睡眠、飲酒喫煙などの嗜好品の見直しに役立つ大切な検査であり、改善することでデータの改善も見込まれるものです。
〜当院の健診における血液検査〜
もちろん、上記の検査 (脂質検査、肝機能検査、、、) はとても重要な項目であり、当院の血液検査でも必ず採らせていただく項目になります。
しかし、それ以上に詳細に、生活習慣病に限らない身体全体の健康状態を把握するのに役立つのが、当院の血液検査になります。
当院の血液検査では、基本的な項目に加えて、
- さらに細かい肝機能検査(胆汁酸、ビリルビン、フェリチン、FIB-4 など)
- 膵臓の機能検査(アミラーゼ など)
- 甲状腺の機能(FT3、FT4、甲状腺刺激ホルモン など)
- 副腎の機能(DHEA-S など)
- 血液のドロドロさ (D-ダイマー など)
- 血中の電解質(ミネラル / ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅 など)
- がんの目安となる腫瘍マーカー(CA19-9、CEA など)
これら以外にも、さまざまな視点から血液を細かく分析して検査しています。
ちなみに、このように血液上の電解質や全身の機能に基づいて身体を診ることは、「オーソモレキュラー (分子栄養学)」な視点 と言います。不足している電解質や栄養素を補い、過剰なものは調整していく、西洋医学で発展してきた視点になります。
〜どうしてそんなに細かく見るの?〜
ここまでお読みいただいて、
「 そんなに細かく血液を分析するのはどうして?」
「基本的なことが分かっていれば、病気は防げるんじゃないの?」
という質問が出てくると思います。
細かく血液を見る理由は、大まかに言うと、
「まだ起こっていない病気を防ぐため」
なのです。
たとえば、基本的な血糖値(HbA1c)や脂質(コレステロール)の値が悪かった時、健康上の問題を発見することができた、とも言えますが、”もう既に異常が起こっている”と捉えることもできますよね。
ここで、細かい臓器の状態(膵臓機能、肝機能 など)がどのようであるか分かっていれば、血糖値や脂質に異常が反映される前に、食事や運動で改善することができます。
また、電解質(ミネラル類)は、少量で筋肉や神経のはたらきを左右したり、食事から摂った栄養素の過不足やはたらきを反映したりしています。
例えば、”カルシウム”と”マグネシウム”。これらは、それぞれ骨の強度を保ったり、筋肉の動きをなめらかにしたりする働きがあります。特にマグネシウムは、不足すると心疾患や動脈硬化などの生活習慣病を悪化させてしまうといわれています。
これらは身体の中で比率が保たれており、片方が足りないともう片方も値が下がってしまうため、ふたつ同時に濃度を高めていく必要があります。
また、血中の”亜鉛”は、免疫機能の調整や細胞の新陳代謝に関わっており、不足すると身体のだるさや風邪の引きやすさなどに繋がってきます。また、亜鉛は神経細胞の保護にもかかわっており、アルツハイマー型認知症の予防にも役立っていることが分かっています。
これらは、”銅”とシーソーのように拮抗する関係にあり、片方が極端に高いともう片方は下がってしまうため、バランスを定期的に見ていくことが必要になります。
当院で目指している”健康”とは、異常が起こる前に、適切な栄養管理・健康管理でそれを防ぐことにあります。
“未病の段階で防ぐ” という言い方も、よくされますよね。
強めの言葉になってしまいますが、”疾病になってからでは遅い”という考えがあります。治すのにも時間がかかるし、正常な臓器への連鎖的な悪化にも繋がっていくからです。
誰もが健康に問題なく生きる。
そのためには、細かい検査によって、病気になる前段階から自身の健康状態を知ることが大切なのです。
〜最後に〜
血圧の薬、糖尿の薬などを内服されている方は、3ヶ月〜半年に1回ずつ。
健康で、内服のしていない方でも、年に1度は細かく採血を採って全身の状態を把握すると、より健康に日々を過ごすことができると思います。
詳細な血液検査をもって全身の状態を知り、病気になる前に身体を労わってあげることが、昨今のストレス社会におけるいちばんの自分孝行になるのではないでしょうか。
ぜひ一度、細かな採血を採られることをオススメいたします。
血液検査については、以下より古田先生がお話くださっています。⬇
〜スタッフこぼれ話〜
今年は昨年よりもインフルエンザの患者さまが多くお見えになる印象です。
クリニックもだんだんと忙しなくなってきました。
そのなかでも、「慌てずに、足音を立てずに、エレガントに、笑顔に!」をモットーに患者さまと接するよう古田先生からもお言付けがあり、スタッフ一同心に留めてお勤めしております。
ハロウィンも終わった、11月の頭。
当院ではさっそくクリスマスの飾り付けを、ナースSさんと受付Iさんが主導となって施してくださりました。

少し早いのでは?というお声もいただきましたが、クリニックとクリニックに来て下さるすべての患者さまの幸せを願った前祝い ということで、今日も爛々と待合室を照らしてくれています。
当院はクリスマス近くなると、診察室にサンタさんが来てくれるとか、来ないとか、、、?
みなさま、ぜひクリスマスの近くには当院にお見えになってくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
また来月も、よろしくお願い申し上げます。
